一致指数、4カ月ぶり上昇 景気判断、6カ月連続で「悪化」 5月の県景気動向指数
奈良県が28日までに発表した5月の県景気動向指数(ならCI、2015年=100)は、景気にほぼ一致して動く一致指数が82・5と前月を2・4ポイント上回り、4カ月ぶりの上昇となった。しかし景気判断は、景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」に据え置いた。「悪化」は6カ月連続。
一致指数でプラスに寄与したのは有効求人倍率、鉱工業生産指数、建築着工床面積、稼働率指数、有効求人充足率(逆)。マイナスに働いたのは日経商品指数(前)だった。
景気に数カ月先行して動く先行指数は前月を2・4ポイント上回る73・0で、2カ月ぶりの上昇。数カ月から半年遅れで動く遅行指数は92・6と前月を0・2ポイント下回り、3カ月ぶりの下落となった。
また3カ月前と比較した景気の方向性を示す、ならDIの一致指数は71・4%。好不況の分かれ目となる50%を9カ月ぶりに上回った。
CIは景気の強弱を定量的に把握しようとするもので、景気に敏感な複数の指標を合成して算出。景気変動の大きさやテンポ(量感)を示す。DIはCIと同じ指標のうち改善している指標の割合を示し、景気局面の判断や予測の材料となる。