総括判断、4期連続「持ち直し」 7月の県内経済情勢 生産活動、3年3カ月ぶり下方修正
奈良財務事務所は4日までに、2023年7月判断の県内経済情勢報告を発表した。総括判断を「持ち直している」とし、4期連続で据え置いた。主要3項目の一つである生産活動を3年3カ月ぶりに下方修正した。
個人消費据え置き「緩やかに回復」
同事務所は先行きについて、「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、持ち直していくことが期待される」と指摘。ただ、「世界的な金融引き締めなどが続く中、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクとなっている」と注意を呼びかけている。
個人消費は「緩やかに回復しつつある」と、2期連続の据え置き。百貨店・スーパー販売は、物価上昇による消費者マインドの低下などにより、足踏みの状況にある。乗用車新車登録届出台数は、普通車・小型車・軽自動車のいずれも前年を上回っている。観光動向は、インバウンドや国内観光客の増加により、回復しつつある。
生産活動は「足踏みの状況にある」と、2020年4月判断以来、3年3カ月ぶりの下方修正。企業からは、半導体供給制約の緩和により生産状況が改善しているとの声が聞かれる一方、中国を取り巻く状況などに起因して生産計画を見直すなどの声がある。
雇用情勢は「持ち直しつつある」とし、4期連続で据え置いた。有効求人倍率は、引き続き求人が求職を上回っており、企業からは「専門人材を中心に不足している」などの声が上がっている。
同報告は年4回発表。経済指標や企業ヒアリングなどを基に取りまとめている。