練習成果存分に「達成感いっぱい」 桜井で「狂言いろは」生徒ら発表会
狂言を学ぶ生徒が出演する「第17回狂言いろは発表会」(若草こども狂言を育てる会主催)が7日、奈良県桜井市三輪の大神神社三輪山会館能楽堂で開かれた。奈良市の奈良春日野国際フォーラム甍(いらか)の改修工事に伴い、今年は同会館で開催。会場には親族など約100人が訪れた。
「狂言いろは」は、能楽の原典とされる民俗芸能「翁舞」が伝わる奈良市の奈良豆比古神社近くの若草公民館で活動。現在は小学生から大学生までの10人が在籍し、大蔵流狂言師の茂山忠三郎さんの指導で月に2〜3回稽古に励んでいる。活動は同会などによって支えられ、年に1度発表会を開いている。
発表会では、同会の村田昌三会長が「伝統芸能に触れることが日本の大切な文化を次世代へ引き継ぐ大きな力になる」とあいさつ。茂山さんは「普段の行動に出る所作の役に立てばとの思いもあり、約20年にわたって教室を続けている」と話した。続いて四つの演目が披露され、生徒全員が出演。主人や太郎冠者といった登場人物に分かれ、狂言特有のセリフの言い回しでそれぞれの役を演じた。
主人からの水をくむ用事が面倒で鬼が出たとうそをつく演目「清水」に出演した、高等専門学校5年の伊勢谷彩加さん(19)と高校1年の花谷文さん(15)は「セリフが飛んだ場面をアドリブで乗り切った。達成感でいっぱい」と満足げ。就職活動中という伊勢谷さんは「中学1年から狂言を学び、人前に立つのが好きになった」と、これまでの経験が活動にも生かされていると話した。