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「古代の伝達手段を体感して」 2月25日に奈良・王寺 明神山で烽火プロジェクト

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明神山の山頂から上がる烽火=昨年11月12日、王寺町(同町提供)

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 煙や炎を上げ、離れた所に情報を伝える古代の通信手段「烽火(のろし)」。奈良県王寺町は2月25日、飛鳥時代の烽火を町内の明神山で再現し、目撃者の写真投稿で見え方を検証する。今回が3回目の実験で、当時の都があった明日香村で烽火を確認しバルーンを上げる「リレー」も行う。監修者の相原嘉之・奈良大学准教授(56)は「古代の伝達手段を体感して欲しい」としている。

 

 古代最大の内乱、壬申の乱から1350年を記念し、同町は「みんなでつくる明神山烽火MAPプロジェクト」を企画。大阪府境にある明神山(標高273.6メートル)の山頂は360度視界が開け、大阪平野や奈良盆地などを見晴らせることから烽火の連絡拠点があった可能性があるという。

 

 663(天智2)年に白村江で敗戦した日本は、唐・新羅連合軍の侵攻に備え、対馬・壱岐・筑紫に「烽(すすみ)」を置き、国防強化を図ったことが日本書紀に記される。畿内の王都に情報を伝達する目的があったと考えられる。

 

 古代の軍規などを定めた「養老軍防令」では、烽の設置や運用、構造を規定。40里(約21キロ)間隔で設置する▷昼間は煙、夜は火を上げ、次の烽が反応しない時は走って伝える▷煙を起こす薪はヨモギ、ワラ、生シバ(木の枝)を混ぜて使う―などと記されている。一方で、燃料の量や送る風量、烽火の上げ方など、詳しいことは分かっていない。

 

 昨年11、12月に行った2回の実験では試行錯誤しながらスギやヒノキをいぶし、2.7メートルの煙突から煙を上げた。計83件写真投稿があり、気象条件によっては30キロ離れた所でも見えることが分かった。プロジェクトのホームページ(https://nara-noroshimap.com/)には「烽火MAP」を公開し、地図上のマークをクリックすると写真と撮影場所が確認できる。

 

 25日の烽火上げは、午前10時▷同11時▷午後1時▷同2時から各20分ほど、明神山の山頂広場(王寺町畠田)で行う。午後の2回は、明日香村の甘樫丘、中間の橿原市、曽我川緑地公園で烽火を目視しバルーンを上げリレーする。町公式「YouTubeチャンネル」でライブ配信する予定だ。

 

 烽火を見つけるには「事前に明神山の位置の確認を」と相原准教授。プロジェクトの実験結果は、4月16日午後1時30分、同町リーベルホールの「歴史リレー講座」で報告する。

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