奈良と徳川家康【3】 家康の位牌伝わる - 西照寺(奈良市今辻子町)
奈良市今辻子町にある西照寺。院号は「家康院」。徳川家康の位牌を安置する。かつては家康を祭る「東照宮御廟屋(みたまや)」があり、厨子の中に位牌を納めていたという。法澤恵造住職は「命日や月命日のみ鍵が開けられ、拝んでいたと聞きます」と語る。
幕末の奈良奉行、川路聖謨(としあきら)の日記「寧府紀事」によると、聖謨は奈良に赴任した1846(弘化3)年4月1日、東大寺(奈良市)にあった東照宮を参ったのち、続いて西照寺の東照宮を参拝している。幕府から任じられた歴代の奈良奉行は真っ先に同寺を参詣したようだ。法澤住職は「幕府も位牌があることを分かっていたのでしょう」と想像する。