社会

伝統の技、継承へ - 若者4人に指導 新商品開発狙う/黒滝の「水組木工」

山口さん(右から2人目)から水組工芸技術を学ぶ若者=黒滝村中戸の山口木工家具建具店
 県指定伝統的工芸品にも選ばれている黒滝村の木工技術「水組(みずぐみ)木工」を継承しようと、村外から若者4人が集まり、高齢になった作り手のもとで習得に励んでいる。村は旧村立中学校の技術室を加工・体験施設として改修する計画ももっており、新しい地域の仕組みを整備する。

 黒滝村は、農水省の山村活性化支援交付金を申請、計画を立てて昨年度から技術継承のための取り組みを進めてきた。職業訓練の家具工芸科などがある県立高等技術専門校にも声をかけて人材を呼び込んだ。

 水組木工は、ホゾなどで板を組む指物(さしもの)の一つで、斜めに切り込んだホゾを見せる意匠の技術。漢字の「水」のような見た目が面白い。山上ケ岳山頂の大峰山寺には江戸時代に作られた水組の賽銭(さいせん)箱があり、一般にも火鉢(ひばち)や箪笥(たんす)などに用いられた。

 黒滝村中戸の山口勝さん(75)は指物師だった父親から手ほどきを受けたが指物の需要は減少し、後継者は育てなかった。

 今年9月から月1度の指導をすることになった山口さんは「水組が時代に合っているかどうかは難しいが、昔からの技術なので少しでも継承してもらえればうれしい」と張り合いを感じている。「一度にはいかんよ」と優しく言葉をかけながら、職人の鋭い勘を実践で教える。

 継承に取り組む4人は木工の基本技術を身につけた20~40代の男女。下市町で家具作りをしている大竹洋海さん(25)は「水組は手加工でしかできないところに挑戦しがいがある」と手ごたえ十分。黒滝村内の木工所アルバイト、山田さやかさん(28)は「釘などを使わないので音響関係などに向くのでは」とアイデアを膨らませる。

 4人は水組のほか、村特産の吉野杉を生かした透かし彫り工芸も学んでいる。伝統の継承と新商品の開発が狙いで、村林業建設課の北村巨樹課長補佐(46)は「木工に興味のある若者が集まり、地域資源を新しい感性で生かしてもらいたい」と期待を込めている。

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