考古学

5年かけ規模確定へ - 国の史跡指定視野 市民ら発掘体験も/富雄丸山古墳で奈良市

墳丘などの調査が始まる富雄丸山古墳=中央手前。昨年、国内最大規模であることが判明した=(市提供) 拡大

 奈良市は、同市丸山1丁目にある大型円墳、富雄丸山古墳(4世紀後半)を国の「史跡」指定を視野に、今後5年をかけて墳丘を発掘調査、範囲確認した上で、整備する方針を固めた。同古墳は昨年、市教委が上空から実施したレーザーによる地形測量で、墳丘が従来考えられていた約86メートルを超え、直径110メートル前後の三段築成による国内最大の円墳であることが判明。さらに墳丘北東側には「造り出し」も確認されており、今回の調査で、規模などが確定されることになる。

 富雄丸山古墳は昭和47年に付近の住宅開発に伴い、県立橿原考古学研究所が竪穴式石室を調査した際、直径86メートルと報告。57年の調査では墳丘が102メートル前後となる可能性も指摘されていた。

 同古墳の副葬品としては、明治時代末出土と伝わる碧玉(へきぎょく)製合子や石製品などが国重要文化財指定。また天理大学附属天理参考館が所蔵している三角縁神獣鏡3枚も同古墳から出土したとされている。

 同古墳は市有地で保存されているが、いわゆる山林の状態で、これまで一般にはあまり知られていなかった。市は、昨年の調査結果公表に際し、市西部の文化遺産として同古墳を地域活性化や観光、教育に生かす考えを示していた。

 本年度は樹木の伐採や一部通路の整備などを行い、12月3日~来年2月1日まで発掘調査を実施する予定。頂上部の埋蔵施設の発掘調査に加え、墳丘の形状を確認するため裾野にトレンチを入れるなどして行う。

 昨年の航空レーザーによる3次元計測調査では、祭祀(さいし)を行った場所とみられる長さ約20メートル、幅約45メートルの造り出しがあることも分かっており、今年の調査は、この造り出し部分の確認も行われる予定という。

 調査は市文化財保護審議会(委員長・田辺行征夫大阪府文化財センター理事長)の指導で市埋蔵文化財センターが実施する。本年度の事業費は1300万円。

 三好美穂市埋文センター所長は「埴輪の配列の有無や葺石の状態なども確認する。今回の調査をもとに、来年度以降の調査方針を立てることになる。古墳が造られた時期、当時の様子が判明することで被葬者の謎に近づくことができれば」と期待する。

 調査には市在住、在勤、在学の人を対象に市民による発掘調査体験も企画。実施期間は12月17、18、20、23、24日と来年1月7、8、10日の計8日間で1回10人(12月23日には小学4年~中学3年が対象のこども体験Dayも実施)。交通費・報償費はない。

 立石堅志市文化財課長は「今回の調査で古墳の規模など確定し、史跡指定に向けた取り組みも行う。古墳は都市計画上、緑地となっており、それと整合性を取りながらの整備になると思う。近くで県の道の駅整備も計画されており、観光活性にも一役買うことになれば」と話している。

 発掘調査体験の応募は往復はがきかEメールで。応募多数の場合は抽選。問い合わせは市埋文センター、電話0742(33)1821。

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