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奈良の鹿ニュース

目にもおいしい華やか「こんぺいとう」 一足早く春の訪れ感じて - 砂糖傳増尾商店

 「砂糖傳(さとうでん)増尾商店」(奈良市元興寺町・増尾朗代表)は、江戸時代からの町家が残る「ならまち」の一角に本店を構え、砂糖のほか、こんぺいとうや鹿の形をしたおかしのグミなどを販売。創業170年の老舗の同店が手掛けるこれらの商品は、なつかしさの中に現代の感覚も取り入れた新たな奈良土産として人気になっている。

 

ストロベリー、ピーチ、マスカット、グレープフルーツの風味が楽しめる「花の宴」=同店提供

 

 

砂糖のおいしさ、身近な菓子で表現

 こんぺいとうの「奈良こんふぇいと」は、厳選したおいしい砂糖を手軽に楽しんでもらおうと同店が開発。熟練の職人が糖蜜がけと乾燥を約2週間繰り返し完成する。中でも、ひときわ華やかな「花の宴(うたげ)」(ひと箱540円)を2月から販売開始。春にふさわしい花々を連想させるピンク色を基調にしさまざまなフルーツの味を楽しめる。4月下旬までの春限定商品で、ならまちの本店のみでの取り扱いとなる。

 

店内の様子。じっくり商品選びを楽しむ人が多い=同

 

毎年の正倉院展の時期には、その年に出品される宝物(ほうもつ)を模した期間限定柄の小箱も好評=同

 

 同商品の小箱は、鹿やならまち、若草山など20種類の奈良らしい絵柄から選ぶことができ、豊富な絵柄の小箱と中身の組み合わせをじっくり選ぶ楽しさも、来店者を惹きつけている。こんぺいとうは口の中でおだやかに溶け長続きし、保存期間も長いことから、縁起が良く好意を示す菓子とされ贈答用としても人気が高い。

 

 常時10種類以上の味のこんぺいとうを取りそろえる本店。月ヶ瀬の大和茶を使用した商品が「奈良らしい」と定番の人気だが、コーヒー味や塩味、季節限定の味、芳醇な「甘酒」味など他社とコラボレーションして生まれた商品なども並ぶ。遠方から訪れた旅行者が後日ネットショップを通して追加購入したり、再度の奈良旅行時にリピートしたりという場面も増えている。

 

 同店営業部の長谷川優香さん(27)は「これから奈良公園や佐保川の桜が美しい季節。奈良散策をする際の思い出作りに立ち寄ってもらえたら」と話す。

 

 

大和茶から始まった、170年の老舗

 同店は安政元年(1854年)に増尾傅次郎がこの地で大和茶と炭で商いを始めた老舗。同5年(1858年)には商品を運んだ後の戻り船を活用し、和三盆や砂糖の業務販売を開始。扱う商品と名前の「傳」を合わせた「砂糖傳」が屋号として浸透するほどに信用を得てきた。創業から170年経つ現在も砂糖のプロとして、県内の和菓子店が求める質の高い原材料を提案・提供、菓子職人らを広く支え続ける。

 

本店は、大きなのれんが目印=同

 

それぞれの名前や特徴、おすすめの使い方が書かれた「砂糖」が並ぶ店内の一角=同

 

 こうした業務用の卸に主軸をおきつつ、1988年に開催された「なら・シルクロード博」をきっかけにプライベートブランド商品の考案をスタート。第一弾の「御門米飴」は米を麦芽で発酵させビタミンやミネラルを豊富に含む水あめ状の商品。和菓子店の餡作りや専門店の料理のコク出しにも活用されるほか、一般家庭にも愛用されてきた。

 

 「奈良こんふぇいと」をはじめとした、菓子の「Premium御門くぅへん」「ディアグミ」などは比較的近年に誕生したオリジナルスイーツ。地元はもとより観光で来寧(らいな)する人々に向けた多様なオリジナル商品は、製造に社外の専門職人の技術を借りることで実現している。

 

 

砂糖を愛する人のため 手間ひま惜しまず

 同店を訪れる顧客は30~60代の女性が中心。これまで新たな商品を考える中「女性に響く商品かどうか」も大切にしながら開発を重ねてきた。

 

 砂糖がもつ保湿力の特性を生かした「せっけん」もその一つ。原材料に看板商品の「御門米飴」や、ハチのエサとして養蜂所にグラニュー糖を納入する縁で入手できた希少な「奈良はちみつ」を使用したせっけんのラインアップは同店ならでは。昔ながらの無添加、手作り製法で安心して全身に使える。

 

 またシカをかたどった「ディアグミ」は、吉野在住のコンフィチュール作家が果物のフレッシュ感をキープして煮詰めたコンフィチュールを練り込んでいる。そのため果物のみずみずしさが凝縮されたこだわりの商品。より幅広い層に手に取ってもらえるよう、今年パッケージをリニューアル。箱を開けるとシカのイラストが立体的に飛び出す仕掛けで、手にした時のインパクトやユニークさもプラスした。グミの味はいずれも奈良県産のイチゴ、レモン、ブルーベリーの3種。噛むとフルーティーな香りとすっきりとした甘みが口いっぱいに広がる。味も見た目も、奈良土産としてより印象的な商品に仕上がっている。

 

奈良産の果物を使用した「ディアグミ」。フレッシュな果物の風味が口いっぱいに広がる=同

 

 

これからも「創造」を支えたい

 近年は一見時間とコストのかかる手仕事の良さが業種を問わず見直され始め、「薄利多売ではないもの」「本当にいいもの」を求める風潮が高まり、同店への追い風となっている。また通常では砂糖や甘味の消費が落ち込みがちな夏季も、近頃は奈良の「かき氷」人気の高まりでシロップやトッピングとして新たな砂糖需要が生まれるなど、うれしい変化も実感している。

 

 「砂糖卸として古くから、県内の菓子店や職人の『創造』のお手伝いをしてきた。皆さまからの信頼や新しいご縁にも感謝しながら、一般の消費者の方にも砂糖のおいしさや魅力を伝えていけるよう、より一層努力したい」と長谷川さん。

 

 社員間では普段から「甘くておいしいもの」について情報交換、卸先では砂糖の表現について学ぶ機会も多く、日々感性やアイデアを磨いている。今後も独自商品の開発や、客先の菓子店とコラボレーションしてのイベント出店に力を入れていく。

 

 問い合わせや、オンライン販売は同店公式サイト、https://www.satouden.com/。各種SNSで。

 

 

砂糖傳増尾商店(さとうでんますおしょうてん)

 

 

170年続く、目利きのプロ。「食を通してみんなを笑顔に、おいしいものをつくるための手伝いをしたい」を願いとし、砂糖をはじめ甘味に関わる食品原料を用意し要望に合わせて提案。「砂糖のことなら砂糖傳増尾商店」と言ってもらえるよう、日々努力と感謝を忘れず歩み続ける。本店では名物の御門米飴、こだわった砂糖(和三盆、黒糖など)のほか、各種菓子なども取り揃える。

 

 

読者特典

「奈良こんふぇいと」3個入りのギフトセットを抽選で1人にプレゼント。応募は2通り。

 

【インスタグラムで応募】

①奈良新聞インスタグラム「奈良新聞の鹿好きさん」をフォローの上、

②「奈良こんふぇいと希望」のDM送付で応募完了。3月8日締め切り。

抽選ののち、当選者のみにDMで連絡▽コメントでの応募は不可・非公開アカウントは抽選対象外

 

【はがきで応募】

はがきに郵便番号、住所、氏名と「奈良こんふぇいと希望」を書いて〒630-8686奈良新聞社デジタル編集部「GОGОエンジョイ・プレゼント」係へ。3月8日消印有効▽奈良新聞からの商品の発送をもって当選の連絡とする

 

本店情報

<店舗名>

砂糖傳増尾商店(さとうでんますおしょうてん)本店

<住所>

奈良市元興寺町10

<営業時間>

9:00-18:00

<定休日>

年中無休(年末年始を除く)

<駐車場有無>

あり(2台分)

<電話>

0742-26-2307

<公式SNS>

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