自宅マンションで防火訓練が行われた。火…
自宅マンションで防火訓練が行われた。火災への注意と消火器の使用実習に加え、消防署員からは能登半島地震を踏まえた震災の話もあった。
強調されたのは「大地震は奈良でも起こり得る」ということ。そのための備えの重要性が指摘された。
今年も「1・17」が巡ってきた。今年で発生から29年になるが、地中から湧き上がる大きな揺れ、各方面での被害、苦難とともに災害対応の新たな起点にもなった阪神・淡路大震災を忘れることはない。
もっとも、多様化する自然災害に「備えあれば憂いなし」は、必ずしも通用しなくなった。大規模災害発生のたびに新たな専門用語を耳にする経験が増えたのが、その証しだ。
とはいえ、事前の備えの充実が減災につながるのも疑いがない。他の事例に学び、想定訓練を重ねることが臨機応変な行動を可能にする災害への感度、先を読んだ対策への想像力を高めてくれる。
今年の神戸市での「1・17のつどい」で紙灯籠を並べて描く文字は「ともに」。こう決めた思いと同様、能登半島地震の被災者に心を寄せ、震災での教訓を胸に刻みたい。(智)