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金曜時評

どうする亀田橿原市長 辛口のごあいさつ - 論説委員 甘利 治夫

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 能登半島地震で幕開けとなった新年だが、いついかなる時も気を緩めてはいけないと、心した人も多いのではないか。

 

 いまだに多くの行方不明者がおり、被害の全容はまだ分からないが、被災者への支援活動の手を緩めてはなるまい。県や各自治体も、職員派遣や物資を送るなど、それぞれの対応をしている。救援に向かう皆さんも、余震が続いているだけに安全を祈りたい。

 

 そんな中でも、4年ぶりとなる年賀会などが各地で行われ、黙とうの後、和やかな場が演出されている。長いコロナ禍を乗り越え、そしてまた元日の凶事を転換していこうという、強い意思が見てとれる。いつ何が起きるか分からない時だからこそ、越年してしまった諸課題に対して、どう迅速に取り組み解決するかが大事だ。首長の皆さんも、そんな思いでいるのではないか。

 

 気になっていた越年問題の一つに、橿原市の分庁舎ミグランスのことがある。併設されたホテルを巡って、亀田忠彦市長が繰り返し「告発も辞さない」とした委員会の行方はどうなったか。昨年中に初会合が開かれたはずだが、「口外しない」とでも約束したのか、関係者は口をつぐんだままだ。

 

 分庁舎は近鉄大和八木駅前の一等地にあり、鉄骨鉄筋コンクリート造り地下1階、地上10階建て。市関係各課を除き、5〜9階に客室約130室のカンデオホテルズ奈良橿原(本社・東京)が入居している。年間約4000万円の賃貸契約で、固定資産税はほぼゼロ、東京が本社なので法人税もない。20年の定期借家契約であるために、賃料総額でも建設にかかった費用の半分にもならない。

 

 さらに問題なのは当初議会に年間賃料は9500万円を見込んでいると説明していたのに、実際はその半額以下であることだ。

 

 こうした優遇措置に 市内の同業者は「こちらは固定資産税をしっかり納めている。優遇分、低価格で営業できるから、どんなに切り詰めても太刀打ちできない」と民業圧迫を指摘する。

 

 市の財政を圧迫しているのに、どうして9500万円と見込んでいた賃料が4000万円になったのか、その不可解な経緯を市民の前に明らかにせねばなるまい。昨年秋に再選された亀田市長が「市民の税の問題でもあるので、先頭に立ってやり切る」と言い切っていたが、委員会そのものが不透明であることは許されない。

 

 トップは口に出したことはやり切る責任がある。

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