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国原譜

明治時代に出版された奈良の名所絵図に、…

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 明治時代に出版された奈良の名所絵図に、柵の中で過ごす鹿たちが描かれている。春日大社の参道を挟んで2カ所に分かれ、「鹿えん」の文字がある。

 

 時の県令、四条隆平(たかとし)は、鹿による農作物への被害を防ぐため、700頭以上の鹿を捕獲、柵で囲った「鹿えん」に収容した。

 

 収容された鹿たちは環境の変化や病気、えさ不足などで38頭まで激減し、絶滅寸前の状態に追い込まれたという。その教訓の上に、鹿が自由に歩き回る現在の奈良公園がある。

 

 奈良の鹿愛護会が運営する現在の鹿苑には、病気になったり交通事故に遭ったりした鹿、出産期の母鹿などが収容されている。

 

 農地を荒らした鹿は特別柵と呼ばれるエリアで一生を過ごすが、この鹿たちが餌を十分与えられず死亡数も多いと獣医師が奈良市に通報、愛護会は全面否定している。

 

 実態は市の調査結果を待たねばならないが、愛護会のスタッフは24時間体制で鹿の保護活動に従事している。鹿には好かれないが、鹿が好きでなければできない仕事だ。「虐待」という言葉の使い方には慎重であるべきだろう。(増)

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