想像だけでは知れぬことがある。真夏の太…
想像だけでは知れぬことがある。真夏の太陽ぎらつく、熱中症の危険度が高い環境での活動もそうだった。
開催中の全国高校野球選手権大会の智弁学園応援席で仕事をした。甲子園のスタンド取材は過去に経験があったが、正午をはさむ炎天下の約3時間は記憶にない厳しさだった。
陽光にさらされた観客席は厚めの何かを敷かないと座れず、素肌が触れるとやけどしそうな熱さ。汗は絶え間なく流れ落ち、ペットボトルの水分消費はどんどん進んだ。
モバイルの温度計は36度だったが、それ以上の体感。熱射を浴びながらも声を張り上げ、演奏し、踊って応援を続ける高校生の姿に感じ入りつつ、グラウンドの選手は集中力を保つのも難しかろうと思った。
熱中症への警告が連日の今夏。運動時間帯見直しへの経験者、識者らの意見を多数見聞きしてきたが、初めて身に染みて理解した。課題もあろうが、日常の部活動を含め屋内外問わず再考側にくみしたい。
取材時に焼けた鼻と頬の皮膚は、ぽろぽろとむけ始めた。近年の夏は、われわれ年配者が心待ちにした夏とは違ってきている。(智)