台風にも名前がある。たとえば2017年、全国に大きな被害を与えた台風21号はラン。そして今、同じ名を持つ台風が列島をうかがっている。

　2000年に従来の英語名をアジア名に変更。以来、台風委員会の加盟国・地域が提案した140の名称を順に繰り返し使っているという。

　17年10月の台風ランは超大型のまま日本に上陸。県内でも各地で土砂崩れや内水氾濫が発生し、広陵町では河川が越水、消防職員らがボートを使い住民を救助する場面も見られた。

　県などが取り組む平成緊急内水対策事業の原点となった台風。来襲が衆院選の投開票に重なったことで記憶している県民も多いに違いない。

　あれから6年。台風は毎年およそ25個発生しており、名称が一巡する期間に合致する。ただそれだけのことで特に意味はないが、ゆっくり列島に近付いて来る台風ランが不気味だ。

　まだ予想進路の幅は広いが、県など近畿を直撃する可能性も。また先行したカーヌンこと台風6号は沖縄や九州方面だけでなく県南部にも大量の雨をもたらしており、相次ぐ台風の接近に緊張が高まる。(松)