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運転手が慣れっこになって警報音を無視―…

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 運転手が慣れっこになって警報音を無視―。そんな記事が5月2日の本紙にあった。園児の車内置き去りを防ぐ安全装置の設置が通園バスに義務付けられて6月1日で2カ月になる。

 

 静岡県牧之原市で認定こども園の通園バスに取り残された女児が熱中症で亡くなったのは2022年9月のことだった。再発防止に向けた政府の対応は急速に進んだ。

 

 5月に入って季節外れの暑い日、マイカーの運転席に座るとこの事件を思い出す。園児を乗せてバスのハンドルを握る運転手はなおさらだろう。

 

 安全装置は「降車時確認式」と「自動検知式」があり、前者はエンジンを切ると車内に警報音が鳴る。運転手は車内を確認しながら最後尾の解除ボタンを押すが、冒頭の例では警報音を無視して降車していた。

 

 駅のホームで目にする駅員や運転士の指差し確認は「指差喚呼」(しさかんこ)といい、安全を動作と声で確認する。

 

 通園バスでも、運転手が座席を一列一列指差し確認すれば、同じ悲劇は起きないだろう。どんな装置も万全ではない。最後の安全装置は運転手の心の中にある。(増)

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