大阪府羽曳野市在住の映画監督岡田有甲さ…
大阪府羽曳野市在住の映画監督岡田有甲さんらが地元の「白鳥伝説」を基にした映画を制作すると発表した。記紀に登場する古代の英雄ヤマトタケルが主人公だ。
ヤマトタケルが今の三重県亀山市で亡くなった後、白鳥に姿を変え羽曳野市に舞い降り、その後天へ飛び去ったとの記紀の記述により、羽曳野市に白鳥陵がある。
ところが、白鳥陵は本県の御所市にもあるのだ。古事記では白鳥は羽曳野市に直行するのだが、日本書紀では御所市に立ち寄って羽根を休めたとされる。
だから驚くべきことに、ヤマトタケルの墓は亀山市、御所市、羽曳野市の三カ所ある(宮内庁治定)。もっとも、白鳥になって昇天したのだから、墓の中は何もなく空っぽだろうが。
人間離れした活躍をしたことから、ヤマトタケルは実在しなかったというのが通説ではあるが、各地に残る伝承は私たちに古代のロマンを与えてくれる。
桃太郎やかぐや姫は伝説上の人物であるからこそ、県内をはじめ全国各地に生誕の地が存在する。まちおこしや郷土愛の醸成に伝説は役立っているといえるのでは。(栄)