自宅近くに本屋がなくて困るのは、後々心…
自宅近くに本屋がなくて困るのは、後々心に残る書籍にたまたま巡り合う機会が減ること。ふらっと出向いた先で重ねる短い立ち読みは、読書の幅を広げもする。
こどもの読書週間が23日に始まる。この日は世界図書・著作権の日、サン・ジョルディの日でもあり、身の回りの読書環境を見直すいい機会だ。
出版文化産業振興財団の調べで、書店ゼロの自治体が県内で5割を超えると知ったのは昨年暮れ。自宅周辺でも数年で複数の書店が次々に姿を消す状況に、さもありなんと感じた。
ネット通販や電子書籍の伸張、中小書店に不利な品ぞろえの仕組みなど、まちの書店衰退の理由はさまざま挙がる。妙案は見つけにくいが、読書習慣減退につながるのは避けたい。
個人的には書籍類は極力、残ってほしいと思う書店を中心に、在庫がなければ注文をして県内での購入を続けている。ささやかな抵抗だけれど。
こども読書週間の今年の標語は「ひらいてとじた 笑顔がふえた」。なにげなく触れた本から発信される心に響くメッセージを感じられる環境は、いつも身近にあってほしい。(智)