初めて中国を訪れたのは今から35年前の…
初めて中国を訪れたのは今から35年前の3月。当時はまだ珍しかった高校生の海外修学旅行に同行、国際交流の様子を取材するのが目的だった。
デモ隊と軍隊が衝突、多数の死傷者を出した天安門事件の前年。そして高知学芸高校の修学旅行生が犠牲になった上海列車事故の1週間前。
そんな時期に中国へ渡ったのは西大和学園高校の一行。史跡見学などとともに地元の高校生と交流。当時の記事を見ると、異文化を実体験して多くを得た生徒の様子がうかがえる。
以後、平成に入って高校生の海外修学旅行は国際情勢の影響も受けつつ全国で定着。次代を担う若者たちの育成に多くの成果を挙げてきた。
全国修学旅行研究協会によるとピークだった2018年度は県内11校を含む全国962校、17万人近くの生徒が修学旅行で海外に渡航。しかし翌年度後半からコロナ禍が始まった。
きのうは中国が観光ビザ発行を再開、再び人の往来が動き出す。日本人対象のビザ免除はまだだが、今年は県提唱の東アジア地方政府会合も同国で開催予定。高校生による交流の活性化にも期待したい。(松)