国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機…
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関が、十津川村の「十津川の大踊」を含む24都府県41件の「風流踊(ふりゅうおどり)」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。年内には正式決定しそうだ。
同村の3地域を連夜訪問した際に耳にした人口減、高齢化などによる担い手不足は各地同様の悩みらしい。登録での伝承への関心の高まりが期待されている。
ただし型にこだわり端正さを求め過ぎると、底流の思想に基づく深い余情が損なわれ、本来と違う踊りになってしまうとの懸念も「大踊」の研究者から聞いた。伝承は一筋縄ではいかない。
奈良トヨタは歴史を彩ったトヨタの名車の修理、復元で技術の継承、向上を図る取り組みを推進している。自動車の周辺が、動力を含め歴史的転換期を迎えている時にこそ必要なのだろう。
大きな変化の到来は車の世界に限らない。知らぬ間に自分の周囲から消えたり、忘れ去られた技術や文化、環境などはないだろうか。
一度途切れた事物を復活させ、元の状態にするのは労力に運もいる。手遅れとなり取り戻せぬこともしばしばある。(智)