10日は十五夜だった。県内は夕方、激し…
10日は十五夜だった。県内は夕方、激しい雷雨に見舞われたところもあったが、奈良市内では雲の合間から美しい中秋の名月を楽しめた。
今年の中秋の名月は満月だった。「当たり前では」と思われる人もいるかもしれないが、十五夜の日が必ず満月だとは限らないという。
旧暦では新月の日を1日とし、15日目の夜が十五夜。しかし、実際には新月から満月までの周期は平均約14・8日なのでずれが生じ、一致しない年もある。
そもそも名月はなぜ秋なのか。太陽と同じで満月も夏は低く、冬は高くなるので、見上げるのに適した高さとなるのは春と秋。さらに春は天候が不安定なので、月をめでるには秋が良いらしい。
県内各地で中秋の名月にちなんだ行事が行われたが、今年も新型コロナウイルス感染拡大が影を落とした。奈良市の伝統行事「采女(うねめ)祭」も、華やかな花扇奉納行列や猿沢池の管絃船を浮かべる儀式などは中止となった。
来年の十五夜も満月になるという。来年こそは新型コロナも終息して、気兼ねなく“まん丸”の中秋の名月を楽しみたいものだ。(法)