特集奈良の鹿ニュース

国原譜

晴天に恵まれた連休のある日、自宅から1…

関連ワード:

 晴天に恵まれた連休のある日、自宅から10分の平城宮跡まで歩いた。復元された「大極門」などを巡ったが、宮跡の広大さに改めて驚いた。1300年前の遺構がこれほどの規模で残るのは世界的にも貴重だ。

 

 宮跡は京都へ遷都後、田畑となり長く忘れられていた。しかし、明治時代以降、宮跡の価値に気付いた多くの人たちが顕彰や保存活動に取り組んできた。

 

 中でも奈良の植木商、棚田嘉十郎が有名。私財をなげうって東京の有力者たちに働きかけ、平城遷都1200年記念祭の開催や「奈良大極殿阯保存会」の設立を実現した。

 

 棚田は1921(大正10)年、宮跡保存に関わるトラブルから自殺。翌22年には宮跡は国の史跡に指定された。

 

 宮跡はその後、特別史跡となり、第1次大極殿や朱雀門など往時の建物も復元された。さらに貴重な文字資料である木簡をはじめとする埋蔵文化財の発掘調査も進む。

 

 今年は宮跡の史跡指定から100年の節目。観光客や市民の憩いの場所でもある宮跡が偶然に残ったのではなく、棚田ら先人たちの努力で保存されたことを忘れてはならない。(法)

関連記事

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド