県内の全年代平均で、新型コロナウイルスのワクチン接種率が50%を突破した。13日は新規感染者も50人を下回り、第5波の収束かと期待する。

　大阪府など19都道府県で緊急事態宣言が延長され県も緊急対処措置の継続を決めたが、その一方では、次に向けた準備も動き始めたようだ。

　具体の一手として登場したのが、ワクチン接種を済ませた県民20万人を対象に3千円の飲食クーポンを抽選で配布する事業。必要経費を計上した予算案を9月定例県会に提出する。

　ワクチン接種の促進につなげるとともに、コロナ対策で県の基準を満たす店舗を認証する制度と組み合わせ、疲弊する飲食業界を支援する。

　先日の県対策本部会議で荒井知事は「感染に注意し、リスクを下げつつ日常生活を取り戻す」ための施策に注力する考えを表明。改めて感染対策と経済振興の両立を目指すとした。

　ようやくあと一息のところまでたどり着いたと思われるコロナ対策。その先を見据えた取り組みに焦点が移る中、新たに提案された飲食クーポン事業では慎重さと同時に積極的な姿勢も求められそうだ。(松)