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国原譜

昭和24年1月26日午前7時ごろ、解体…

 昭和24年1月26日午前7時ごろ、解体修理中だった斑鳩町の法隆寺金堂(国宝)から出火した。古代仏教絵画の傑作とされる壁画(7世紀)が焼損。釈迦如来などを描いた壁画の鮮やかな色彩のほとんどが失われた。

 この悲劇を契機として、国はきょう1月26日を「文化財防火デー」に制定。貴重な文化財を火災から守るため、全国各地で防火施設の点検や消火訓練などが行われる。

 法隆寺でも毎年、地元の消防団などと防火訓練を実施している。境内の鏡池から一斉放水の様子が新聞紙上を飾り、文化財保護への思いを新たにする機会となっていた。

 しかし、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため訓練は中止。金堂や焼損壁画を保管する収蔵庫での法要も関係者のみで営む。

 一昨年亡くなった同寺の大野玄妙前住職は「毎年のことだが、絶えず心の戒めとすることが大切」と訓練の意義を語っておられた。コロナ禍で中止になっても、その意義に変わりはない。

 今年は同寺を創建した聖徳太子の1400年御遠忌。古人が守ってきた文化財の大切さを考える機会にしたい。(法)

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