突然の安倍晋三首相の辞任表明で、次の総理大臣は誰になるのだろうか、と思っていたら、何だか大きな流れができてしまった。

　正式に出馬表明をしていない、菅義偉官房長官を自民党の各派閥が支持し、既に決まったかのような雰囲気になっている。手続き上は、党総裁を選んでから国会で首相が決まる。

　総裁選びが、そのまま首相選びでもある。名前が上がっている岸田文雄・党政調会長や石破茂・元党幹事長らとの、考え方の違いを聞いてみたい。

　党内の流れは、安定してきた安倍政権の継承を求める声が大きいからだろう。コロナ禍という国難のなかで、継続して国政をまかせるのは誰かという考えだ。

　安倍首相を官房長官として支えてきた菅氏に、期待が集まったのも分かる。これからが本番だが、新首相の仕事は、空白が許されない。大臣病のことなど気にしないでほしい。

　永田町の大騒ぎは、どうにも国民から遠く離れたものに感じる。年内かもしれないが、嫌でも1年以内に衆院選はある。それぞれの行動を国民が見ていることを忘れてはなるまい。(治)