車道を2頭のシカが横断する姿を目撃したが、奈良公園付近への観光客が激減していることが知れる。車の通行量も減っているという。

　喫茶店で聞こえてくる会話でも「春日大社や東大寺も人がまばらだ」と言うし、JR奈良駅や近鉄奈良駅でも、あれほど目にした中国人をはじめとした外国人が少なくなった。

　新型コロナウイルスの影響は、とくに観光産業に打撃を与えている。先週まで行われていた「なら瑠璃絵」も、前年より約10万人も減少した。

　国内でも感染者が拡大しており、最初に感染者が見つかった奈良県はすでに退院したが、お隣の和歌山県は担当した医療従事者にまで拡大している。

　令和初となる天皇誕生日の一般参賀をはじめ、東京マラソンの一般の部などの中止が発表になるなど、人の集まる行事は次々と中止が発表されている。

　過剰に反応するのもいかがなことかと思うが、日本が、世界が、立ち止まって考えるいい機会でもある。南極の氷が溶けていることや、地球規模で何が起きているか、人類はどこに向かおうとしているか、見つめていきたい。(治)