太平洋戦争初期、米軍機のパイロットには零戦との空中戦禁止が通達された。雷雲と並び、背中を見せて逃げてもよい相手が零戦だった。

　米軍が劣勢を挽回するために編み出したのが零戦1機に複数機で挑む集団戦闘と一撃離脱戦法とされる。旋回性能の優れた零戦に背後を取られても、僚機がさらに背後を取る。

　8強入りを目前に快進撃が続くラグビー日本代表も、相手選手を2人で止めるダブルタックルが光る。共通するのは一糸乱れぬチームワークだろう。

　立憲民主、国民民主両党などによる新会派が9月30日に発足した。衆院120人、参院61人。立憲民主の枝野幸男代表は「しっかりした国会論戦のために必要な人数をそろえることができた」と胸を張る。

　自民1強政治を打ち破るには、異なる政党色を強みに変え、最強の連携に進化させねばならないだろう。

　当面は4日に召集された臨時国会が戦場となる。新会派は関西電力役員らの金品受領問題を最重点とする構えだ。安倍晋三首相を先頭に進む与党に強烈なタックルが見舞えるか、国民をうならせる論戦を見せてほしい。(増)