スマートフォンを使い、さまざまな情報を入手、活用できる時代。これまでは思いもよらなかったようなことが、この小さな機械で実現できる。

　例えば目的地までの移動手段やルートを調べ、運賃など費用の支払いまでを一元的に行うMaaSと呼ばれる取り組みが注目を集めている。

　国土交通政策研究所のリポートによると、MaaSはICTを活用して交通をクラウド化、多様な移動を一つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな移動概念とある。

　昨夏に出た同リポートでは、その内容や含まれる範囲はまだ定まっていないとあるが、既に公共サービスや商業利用も始まっているようだ。

　奈良交通などが観光型として今月から始めた実証実験は面白い。海外でスマホを見ていた人が魅力的な奈良の写真を気に入り思い立てば、その場で奈良に旅立つ準備を整えられる。

　どうすれば行けるのか、それに航空チケットの手配も面倒などと考えている暇もない。もちろんMaaSは日常生活の支援にも役立つ。小さな投資で大きな未来を開くこともできる楽しみな成長分野だ。(松)