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国原譜

幕末の天忠組に参加した吉村虎太郎は土佐…

 幕末の天忠組に参加した吉村虎太郎は土佐国の志士。坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太とともに土佐四天王と称された。

 ある時、武市の家を訪れた吉村、坂本、中岡にカキが振舞われた。坂本は当たり前のように食べてヘタをポイと庭に捨て、中岡は「かたじけない」とだけ言って手もつけなかった。

 一方、吉村は「こんなうまいカキは生まれて初めて」と喜んだという。村役人「庄屋」だった吉村らしい、カキを振舞った武市の妻への心づかいだ。

 現在の高知県津野町出身の吉村はわずか12歳で父の跡を継いで庄屋となった。のちに脱藩して尊皇攘夷活動に身を投じるが、同町観光ガイドの熊田光男さんは「農民を守ることが常に虎太郎の原動力」。

 28日、五條市、安堵町、東吉野村、十津川村が作る天忠組市町村連携協議会のシンポジウムが津野町であった。約400人もの聴衆が集まり、150年の時を経ても吉村は人々から慕われる。

 しかし、天忠組と同様に全国的な知名度は低く、高知駅前には土佐四天王のうち吉村だけ像がない。地元では隠れた偉人の顕彰に努めている。(法)

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