「闇営業」問題を巡るお笑い芸人の宮迫博之さんと田村亮さんの謝罪会見は予想外のものになった。所属する吉本興業の隠蔽体質を告発した内容が含まれていたのだ。

　詐欺グループの会合に後輩芸人と参加した2人は当初、報酬授受を否定。翌日、真実を告白したが、同社は「今さらひっくり返せない。静観する」とすぐに公表しなかったという。

　事実なら組織的な隠蔽だ。さらに謝罪会見を求めると、「(会見を開いたら)全員首にするからな」と圧力を受けたことを2人は明かした。

　同社は「一強」と言っても過言ではない日本最大の演芸興行会社。芸能界での絶大な権力を利用して芸人を脅し、都合の悪いことを隠そうとしたのならば、「一強」のおごりだといえる。

　参院選が終わった。選挙結果を見ると、自民党、いや安倍首相の「一強体制」に揺るぎはないようだ。

　有権者は今後、当選者に国政を託すことになる。しかし、全てを白紙委任したわけではない。「一強」がおごることがないよう監視しなければならない。そのためには、まず政治に関心を持つことが大切だ。(法)