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国原譜

「どうしてそんなことが分かるんだ」と思…

 「どうしてそんなことが分かるんだ」と思われた読者がいるかもしれない。桜井市の纒向遺跡で、3世紀中ごろの穴からカエルの骨が見つかり、祭祀(し)で供えられた可能性があるという。

 非常に小さな骨だが、表面に細かい傷があり、人がつけたように見える。固体としてまとまった骨がなく、解体して持ち込まれた可能性もある。

 同じ穴では不老長寿の霊力が宿るとされるモモの種が大量に出土しており、魚の骨もあった。今回確認されたカエルを含め、「お供えセット」のようなものが見えてくる。

 骨から特定されたカエルはツチガエルやナゴヤダルマガエルなど3種類。いずれも現在の纒向遺跡周辺には生息していないという。

 「奈良県版レッドデータブック」によると、低地の湿地などを好むナゴヤダルマガエルはかつて奈良盆地に広く分布していたが、宅地開発などで現在は「絶滅寸前種」となっている。

 女王・卑弥呼の時代と比べるのは難しいが、自然環境は確実に変化している。1700年以上前の穴から見つかった小さな骨が、人の営みの功罪を教えてくれる。(増)

 

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