高校時代に世界史の教師から「日本は明治から百年の間に、日清、日露、そして第1次、第2次の大戦と4度も戦争をしてきた」。

　だから「25年に1度も戦争をしてきたのだから、いつまたあってもおかしくない」などと、物騒な授業に驚かされた。戦争を繰り返してきた世界史的にみれば、その通りなのだろう。

　25年どころか、戦後70数年を経過し、平成時代の日本は戦争がなかった。天皇陛下の在位30年を記念する式典での「近現代で初めて戦争を経験せぬ時代」のお言葉の通りだ。

　戦争をまったく知らない世代がほとんどで、戦争がないのが当たり前と思って生活している。ところが世界では、今日も戦火のなかで暮らしている人々がいる。

　それだけに少年皇太子として、先の大戦を知る陛下が、自然災害はあったものの、平和であることの尊さを日々願いながら、務めを果たされてきたことを知った。

　北朝鮮の脅威は少し薄らいだが、韓国や中国など隣国の動きも目が離せない。新しい時代も平和であり続けることを心したい。まもなく平成時代も終わる。(治)