国原譜
水上勉の代表作の一つ「飢餓海峡」(昭和…
水上勉の代表作の一つ「飢餓海峡」(昭和38年刊行)を読んだ。戦後間もない昭和22年の青函連絡船転覆事故を題材としたスケールの大きいサスペンス小説だ。
昭和40年に映画化され、これも日本映画屈指の名作として知られる。戦後の貧しい時代を懸命に生きる日本人の姿が描かれていて、時代を超えた感銘を与えてくれる。
ところが、どうしても違和感のある描写が。60歳前後の人の多くがもうろくした老人とされている。老いているのに、かくしゃくとしているとたたえられている退職刑事が筆者と同年代なのだから、嫌になってしまう。
もっとも、小説が設定している昭和22年から10年間くらいの日本人の平均寿命は、昭和32年でさえ63・24歳(男)、67・60歳(女)なのだ。平均寿命が81・09歳(男)、87・26歳(女)の現在とは事情が違って当たり前か。
県民の「健康寿命」(介護を必要とせず、自立した生活のできる期間)の日本一達成を県が目指している。
減塩食、運動、がん検診などの健康行動を心掛けたい。かくしゃくとした80歳代と描写されたいものだ。(栄)
昭和40年に映画化され、これも日本映画屈指の名作として知られる。戦後の貧しい時代を懸命に生きる日本人の姿が描かれていて、時代を超えた感銘を与えてくれる。
ところが、どうしても違和感のある描写が。60歳前後の人の多くがもうろくした老人とされている。老いているのに、かくしゃくとしているとたたえられている退職刑事が筆者と同年代なのだから、嫌になってしまう。
もっとも、小説が設定している昭和22年から10年間くらいの日本人の平均寿命は、昭和32年でさえ63・24歳(男)、67・60歳(女)なのだ。平均寿命が81・09歳(男)、87・26歳(女)の現在とは事情が違って当たり前か。
県民の「健康寿命」(介護を必要とせず、自立した生活のできる期間)の日本一達成を県が目指している。
減塩食、運動、がん検診などの健康行動を心掛けたい。かくしゃくとした80歳代と描写されたいものだ。(栄)