何も答えないとはどういうことか。誰のアドバイスか知らないが、国民の知る権利に応えるため、記者の質問に答えることは公人の義務でもある。

　黒い交際問題で、県議会議長の岩田国夫氏はせっかくの会見の場で、同じ言葉を繰り返すのみで、記者の質問にはまったく答えなかった。

　議長就任の1年目ということで、慣例となっている就任1年の感想を披露する場だった。それまでにも黒い交際に関する会見を求められていたが、かたくなに拒否し続けてきた。

　昨年の議長就任時に奈良市内のホテルで山口組系暴力団の元組長と会ったほか、元県議2人らと当時の組長と酒食をともにしていた。なぜ会見の場で釈明できないのか。

　先日もある会合で「県議会を代表して一言お祝いを申し上げます」とあいさつしていたが、その場に出席していた他の県議やそれぞれの立場の人は、どんな思いで聞いていたか。

　テレビで謝罪会見は見慣れたけれど、その表情や言葉を聞けば本当かどうかを国民は分かるようになった。速やかな対応、そして日大の学生ではないが潔さを見ている。(治)