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国原譜

平成19年、大和郡山市の平城京九条大路…

 平成19年、大和郡山市の平城京九条大路の南から「十条」の遺構を検出。平城京南端を九条とする定説を覆す大発見とされた。

 これを契機に九条説と十条説で論争が勃発。「十条」が文献史料に登場しないことや遺構が右京域にないことなどから九条説が有力だった。

 しかし、今月8日、同市教育委員会が右京域で初めて「十条」を発見したと発表。平城京の南端を巡る論争に新たな一石を投じた。

 ただ、「十条」は左京域と同様、平城京が機能していた時代に短期間で廃絶。出土物や建物遺構も少なく京域として機能していたのか異論も多い。

 「遺構は明確な目的を持って埋められている。この場所に条坊があったら、都合が悪かったのかもしれない」と市教委の担当者。専門家の間でも十条から九条への「改変説」や、都を作るため一時的に作られた「造営施設説」など、さまざまな説が出ている。

 九条以南全域に、一時的にでも条坊(碁盤目状の区割り)と似た施設があった可能性が高まった。謎が多い平城京造営過程を知る大きな手がかりであり、今後の調査を待ちたい。(法)

 

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