県議会議長の岩田国夫氏の黒い交際疑惑で、批判の声が高まりをみせている。それにしても普段は、はっきり言う人の口が重いのはどうしたことか。

　岩田氏は、議長権限で臨時の各派連絡会を開いて、一方的に発言して終えたという。約10分のことだ。出席した県議らは、釈然としなかったようだ。

　本紙が報道した「黒い交際」を否定したようだが、報道された内容については語らなかった。質問する県議もいなかったのが残念だが、記者会見ならそうはいかない。

　指摘したように、昨年の議長就任時に奈良市内のホテルで元組長に会っていたことは、取材でも「記憶にない」としている。否定できないから「記憶にない」などと言うのだろう。

　政治家は人の名前と顔を覚えるのを得意としている。抜群の記憶力を持つ岩田氏が、忘れるはずもない。県民の多くは「言い逃れ」と思っている。

　同僚県議らもおかしい。疑惑を解明せずに、口を閉ざすばかりだ。他にも黒い交際県議の情報が伝えられるだけに、自浄作用を求めたい。まずは岩田氏の記者会見が必要だ。(治)