大神神社の大鳥居(一の鳥居)は高さ32・2メートル。昭和天皇の在位60年を祝って建設され、平安神宮の大鳥居より8メートルほど高い。

　同神社のシンボルともいえるこの鳥居を起点に参道周辺を整備し、にぎわいを呼び込む計画が具体化してきた。県と桜井市が中心になり、地元住民や商工会などでつくる協議会も参画している。

　現在は二の鳥居前まで複数の駐車場があり、なるべく神社近くに止めようとする車で混雑するが、1カ所に集約して参道を歩いてもらうようにするという。

　伊勢神宮内宮前のにぎわいを目標に、参道沿いに多数の商店が立ち並ぶイメージを描く。伊勢が「赤福餅」なら、三輪にはもなかの「みむろ」がある。

　一方、古くから参拝の起点だったJR三輪駅から参道への道沿いにも、昔ながらの食堂などが並ぶ。商業施設の誘致エリアに含まれるが、今の風情も大切にしたい。

　人が集まれば新たな催しが生まれ、さらなる集客につながる。景観への配慮はもちろんだが、三輪の古い街並みと今後の整備が融合し、県を代表する観光拠点の一つになればと思う。(増)