人間の記憶は曖昧だが、十数人もそろってとは。筆者の小学校同窓会で話題になったタイムカプセルの話だ。「小学5年ごろに校庭に埋めた」と。

　「そんなことしなかった」「ある学級で埋めたので学年全体ではない」とか、けんけんごうごうとなった。確かめようにも場所がはっきりしない。

　本当に埋めたのなら看板ぐらいあるはずだ。ところが、校庭の改修工事で撤去されたと言い出す者もいる。卒業生だからといって勝手に校庭に穴を掘るわけにもいかず、真相はやぶの中。

　昭和45年大阪万博のころ、タイムカプセルを埋めるのが全国的にブームだった。万博のテーマは「人類の進歩と調和」。何十年先にはバラ色の未来があると夢みていた。

　その昭和40年代、大にぎわいだった遊園地、奈良ドリームランド。10年前に閉園され、「夢の残骸」として遊具、建物が残されていたが、解体作業が来月から始まるという。

　侵入者が多いための安全対策だそうで、跡地利用はいまだ決まっていないらしい。小さいころから親しみのある土地、ぜひ有効利用され「夢の続き」を見させてほしい。(栄)