夏休みも残り2週間ほど。やり残した宿題にあせり始めた子供たちもいることだろう。

　後回しにしがちな読書感想文や自由研究に関しては、県内の書店でも独立したコーナーを開設。発想の手助け、時間節約で大いに助けてくれそうな内容の書籍もある。

　今年そこに割って入っているのが、コンピュータープログラミング関連本。簡単なゲーム作りなどを通して、プログラミングの基礎を学ぶ趣向だ。

　これには、小学校でのプログラミング教育導入の可能性が背景にある。小学校高学年での英語教科化、アクティブラーニング導入などとともに、新しい時代に必要な教育との位置付けらしい。

　将来に不可欠と言われれば反対はしにくい。だが、読解力や応用が苦手といった子供たちの基本的課題が未解決のまま、負担増を伴う新機軸の採用を次々図るのには疑問が残る。消化不良の危険性が消えないからだ。

　子供たちが今より多忙になるのは間違いなさそう。休業中の宿題もさらに増えるだろう。潤沢な時間を味わい、ゆったり何かに取り組む夏休みは、すでに過去の郷愁なのかもしれない。(智)