大手宅配業者などが、自動運転車での配送実験を来年から始めることを発表した。背景には利用者の利便性向上はもちろん、人手不足解消が念頭にあるようだ。

　県内中小企業の人材も不足気味なのが、公的機関の調査などで明らかになっている。労働力人口減少が避けられない状況では、人材確保の失敗は死活問題ともなる。

　対策は見受けられる。例を挙げれば、地域貢献と併せ、企業イメージ向上を図る目的で教育機関で出前授業を行う企業がある。

　また、若者の積極的な育成や育児、介護休業後に女性が復帰しやすい職場といった特長を推し進める企業もある。それぞれ長期的視野で人材確保を図る。

　ただ、大手も動いている。ある流通企業は、パート社員の早期離職防止のため採用面接前に相談会を設定。全国展開のチェーン店では、店作りで個店の裁量幅を広げて労働意欲を高める。

　潜在的労働力の女性、高齢者も含め、求職者から見た企業の魅力、社会に対する姿勢がより問われる時代。大手も工夫する中、中小、零細には複数の人材確保策の実践、内容の深化が求められてもいる。(智)