国原譜
ひどいものだ。奈良市月ケ瀬の山林で、県…
ひどいものだ。奈良市月ケ瀬の山林で、県に無許可で土砂を掘削していた三重県の業者が逮捕された。山林は無惨な姿になっている。
5年前の紀伊半島大水害で、十津川村の土砂災害で山肌が大きく露出した。今また熊本地震で地滑りによる光景を見て、月ケ瀬の山肌も二重写しに見える。
十津川村も熊本も、いずれも自然災害だ。その自然の脅威に、人知の及ばないものを見た。近年の大量の雨をもたらす風水害は半端でないし、活発な火山活動や地震の恐怖は今のことだ。
生活の便利さを追い求めて、いつしか自然の大切さを見失ってしまった。天にツバする行為は、必ずしっぺ返しがある。掘削した山林は、元には戻らない。
青垣の山々に囲まれた奈良の地形は、万葉の昔から大きく変わってはいない。それでも活断層が走っていることを知れば、いつ大きな地殻変動があるか分からない。
行政担当者は、そうした奈良の地形や構造をしっかり点検し、住民の「いのち」を守ることを第一としてもらいたい。自然を守ることが、「いのち」を守ることでもある。(治)
5年前の紀伊半島大水害で、十津川村の土砂災害で山肌が大きく露出した。今また熊本地震で地滑りによる光景を見て、月ケ瀬の山肌も二重写しに見える。
十津川村も熊本も、いずれも自然災害だ。その自然の脅威に、人知の及ばないものを見た。近年の大量の雨をもたらす風水害は半端でないし、活発な火山活動や地震の恐怖は今のことだ。
生活の便利さを追い求めて、いつしか自然の大切さを見失ってしまった。天にツバする行為は、必ずしっぺ返しがある。掘削した山林は、元には戻らない。
青垣の山々に囲まれた奈良の地形は、万葉の昔から大きく変わってはいない。それでも活断層が走っていることを知れば、いつ大きな地殻変動があるか分からない。
行政担当者は、そうした奈良の地形や構造をしっかり点検し、住民の「いのち」を守ることを第一としてもらいたい。自然を守ることが、「いのち」を守ることでもある。(治)