募集「悩み」や質問募集 僧侶3人がお答えします

国原譜

「奈良府民」なる言葉がにわかに脚光を浴…

 「奈良府民」なる言葉がにわかに脚光を浴びている。県内をベッドタウンとして大阪へ通勤する人たちを指す造語だが、良い意味で使われることは少ないようだ。

 衆院議員の奥野信亮氏が公明党県本部の年賀会で「奈良府民」に触れ、「県に帰属意識のない人が無責任な投票をしないように」と発言した。奥野氏の頭にあったのは知事選だが、思わぬ言葉に会場はざわめいたという。

 県内に住みながら「大阪に住んでいる」と偽る人はまずいない。通勤先が大阪であっても、多くの場合、子どもは地元で学び、育っている。「無責任な投票」とはあまりに無責任な発言だろう。

 奈良県の県外就業率は全国トップ。北和地域は県外就業者の約8割、中和地域は約9割が大阪で働いている。

 県内の雇用は限られており、大阪には魅力的な企業が多い。人の流れは自然なものだ。この課題にどう向き合い、実効性のある対応策を示せるかが知事選の争点の一つとなる。

 奈良府民という言葉には、ひがみと蔑視が感じられる。政治家がたやすく使ってよい言葉ではない。われわれは全て奈良県民である。(増)

 

 

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド