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自然との調和が生んだ文化 陶芸作家脇田さんギャラリートーク - 「奈良工芸の粋」展

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奈良のやきもの歴史を解説する脇田さん=15日、奈良市水門町の名勝依水園

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 奈良市水門町の名勝依水園で開催中の第8回「奈良工芸の粋」展(奈良新聞社主催、県後援、大和農園グループ特別協賛)に合わせ、工芸作家のギャラリートークが15日、同所で開かれた。陶芸作家で奈良教育大学名誉教授の脇田宗孝さん(82)が「陶(すえ)の美とこころ」と題して講演。日本の歴史と人々の心情から陶芸をたどる奥深い世界を語り、参加者は熱心に聴き入った。

 

 脇田さんは明日香村に生まれ、1970(昭和45)年に同村で陶房を設立。陶芸作家として活動を始めた。古代陶器研究家として、土器や須恵器など古い陶芸技法の研究や復元も行う。

 

 この日の講演で脇田さんは、縄文土器から時代に沿って、写真や実物で奈良のやきものを紹介。古墳時代に祭祀(さいし)に使用された須恵器や埴輪(はにわ)、飛鳥、奈良時代のなら三彩や瓦、近世の赤膚焼き中興の祖、奥田木白までを解説した。「やまとは陶のまほろば」とし、また「やきものは、自然と調和しながら作られた日本文化。身近なものとして取り込み、幸せを感じてほしい」と語り、参加者は深くうなずいた。講座後、参加者は脇田さんを囲んで会食も楽しんだ。

 

 同展は18日まで。依水園入園料(寧楽美術館入館料含む)一般1200円。ギャラリートークはきょう16日も、一刀彫作家の荒木義人さんが出演して行われる。午前11時から、定員20人。参加費5000円(昼食付・税込み)。空きがあれば当日受け付け可(残席わずか)。

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