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【写スポーツ】一瞬の爆発力 社会人選手らと一緒に練習も - 榛生昇陽・宇陀ウエイトリフティング部

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自分の体重をはるかに越えるバーベルを頭上に持ち上げる豪快な競技。「一瞬」の勝負に挑む選手は日々、鍛錬を積み重ねる。写真は庄司蓮選手=写真はいずれも宇陀市榛原下井足の榛生昇陽・宇陀高校

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 重いバーベルを頭上に持ち挙げ、その重量を競う重量挙げ(ウエイトリフティング)。県内の高校では榛生昇陽・宇陀、奈良商工、奈良南の3校が部活動として取り組み、全国高校総合体育大会(インターハイ)などに出場し活躍している。

 

 一見シンプルな競技だが、パワー以外にもテクニックやスピード、タイミング、バランス、さらに精神力などが最高の状態で組み合わさった時、一瞬の爆発力が生まれ、勝負の行方が左右される。

 

 古代ギリシャでは、石を持ち上げて力比べをしたと言われているが、スポーツとしての歴史も古く、1896年、アテネで開催された第1回オリンピックから正式種目として採用されている。現在、男女で階級(体重)別に行われている。

 

 榛生昇陽・宇陀ウエイトリフティング部は、昨年のインターハイ(8月、北海道士別市)男子73キロ級で熾烈(しれつ)な争いの中、2位に入るなど実績を残した堀口実篤(3年)ら4人が在籍。いずれの選手も高校入学後、競技を始めた。高みを目指し、日々練習に励む。「努力は数値となり表れる。それだけに達成感がはっきり意識できる」と水口啓嗣監督兼顧問(同校教諭)。体格によるハンディがないのも魅力だ。堀口は明治大学に進学が決まり、競技を続ける。

 

 1月13、14の両日、ジェイテクトアリーナ奈良で行われた近畿高校選抜大会男子55キロ級で庄司蓮(2年)が、バーベルを頭上まで一気に差し上げるスナッチで自己記録を更新し2位に入った。手応えを実感した庄司は8月に長崎県諫早市で開催されるインターハイで「頂点を目指す」と力強い。

 

 競技はスナッチと、肩の高さまで持ち上げ、その後、体の反動を利用し頭上まで持ち上げるクリーン&ジャークを3回行い、それぞれの最高重量の合計で順位が決まる。トライする重量は選手の申し出で設定が可能で、他の選手の動向を見ながら「次に何キロ上げると勝てるのか」を考えるなど、駆け引きも見どころだ。

 

 ただ、県内の競技人口は決して多くない。昨春、赴任した森川花菜教諭(コーチ兼副顧問)も水口監督の指導の下、未経験ながら生徒とともにトレーニングに励み、「アスリートとして国民スポーツ大会などに出場できれば」と目を輝かせる。

 

 昨年11月、自転車競技部とともに「チャンピオンスポーツを体験しよう!」と題し、宇陀市と曽爾村、御杖村の小学生を対象にした体験イベントを開いた。2031年、奈良で開催される国民スポーツ大会で宇陀市がウエイトリフティング会場となることから、機運を高めるともに、競技人口を増やそうと、普及活動にも力を入れている。(写真・文 牡丹賢治)

 

▽部員

堀口実篤(3年)

浦野翔真(同)

庄司蓮(2年)

川端優希(同)

 

 

放課後、練習に励む選手。クラブハウス「榛陽(はるひ)館」に西日が差し込む

 

プレートを持ち、負荷をかけ腹筋を鍛える選手

 

 

 

大学生や社会人選手と一緒に練習することも。写真は昨年の国民体育大会(現・国民スポーツ大会)

県代表成年男子61キロ級で2位に入った森田幸司

 

 

地元の小学生を対象に開かれた体験イベント=昨年11月16日

 

 

2024年2月28日付・奈良新聞に掲載

 

 

 

 

 

 

 

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