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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 犬のタロウの思い出と犬たち編 2024年1月上旬

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セリの根を持つ住職

 「これセリの根っこね」と洗心(手水舎)の裏、地面を見ながら話します。イチョウの根元近くでは、「これはサンショウよ」とトゲだけの枝を指さしました。葉も花もない冬、住職は何の花なのか、何の葉なのかすぐに答えます。境内に誰もいない時間帯は犬の散歩タイム。このあたりは犬たちのお気に入りの場所なのです。

 

 

サクラ「噛みます」の看板 「オサムに近づかないでネ」

 

 犬のしつけは生後2カ月までにするそうで、犬のタロウはとてもお利口だったそうです。

 

 「手からおやつを受け取るときにね。ガブッと食べないようにちゃんとしつけるのよ。亡くなったタロウは、最初はガブッと食べたから子犬の間にしつけたの」

 

 タロウもちゃんと悪いことは分かっていて、それからはそっとおやつを受け取るようになったのだとか。

 

 

 さてサクラは寺に来た時で11カ月。体が小さくても大人の犬です。お寺に来たときは怖がりで小屋からなかなか出てきません。それでもしつけられていた犬で、かむことはなかったのです。

 

 「このごろ慣れてきたのか、オサムがほえると一緒にほえるようになったのよ。ほえると番犬としてほめてもらえるし、良いことだと思っているの。だけどそれだけじゃなくて、興奮したときだけかむようになったの。自然児(犬)に戻っちゃったみたいね。かみそうになったらサクラをしかってくれる? その場でないと悪いことしていると思ってくれないのよ」と記者にそういいます。

 

 「噛みます」

 

 ついにサクラの小屋の前に書かれてしまいました。

 

飛びつかないようにリードを短くした

 

 

 またオサムの小屋には前から「オサムに近づかないでネ」の看板があります。

 

オサムの小屋の前の看板

 

 

 そういえば取材に訪れた当初、住職から、「手を出すとかまれるかもしれないわよ」と言われたことがあります。今ではオサムが尻尾を振って出迎えてくれるし、顔をなめてくれます。どうして看板があるのでしょうか?

 

おやつを受け取るオサム

 

 

 「タロウもオサムもしつけはしっかりしたのよ。たまたまオサムがほえているときに手を出した人がいてかまれちゃったの。犬はほえているとき目の前にあるものをかむのは普通のことなんだけど、その人は知らなかったのね。血が出るようなことはなかったけど、そのときから看板をつけたの」

 

 そう言って苦笑いする住職でした。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

1月18日〜2月29日まで閉門(2月17日除く)。3月1日から火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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