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2024新春インタビュー 山下真知事が語る奈良県の未来

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山下真知事 新春の抱負を語る

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 昨年4月の知事選で、公選知事としては初めて民間出身の山下真知事が誕生し、県政は大きな転換点を迎えた。山下知事は5月に就任すると県政の見直しに着手。本年度予算の執行を一時停止した20プロジェクトのうち査定の結果、3事業を全部執行停止、12事業を一部執行中止とした。五條市に整備を計画していた大規模広域防災拠点や大和平野中央田園都市構想、県開催が内々定している国民スポーツ大会に向けた会場整備など大型プロジェクトを白紙に戻す一方、これらの見直しなどで生まれた財源を活用し、選挙公約にも掲げた私立高校の授業料無償化を新年度からスタートさせる方針だ。山下知事に就任から8カ月間を振り返ってもらうとともに、新年の抱負を聞いた。

(インタビューは昨年末に収録、1月1日付奈良新聞に掲載)

 

前知事時代の大型プロジェクト見直し 県庁の組織改革進める

―昨年5月に就任してから8カ月間がたちました。成果と県政の今後の課題を教えてください。

 

 山下知事 公約に掲げた前知事時代の大型プロジェクトの見直し、重要公約の一つであった私立高校授業料無償化に向けた制度設計はできました。予算執行査定で見直した大規模広域防災拠点や大和平野中央田園都市構想など、買収済みの土地利用についても検討を進めています。

 

 発達障害の子どもへの支援では包括的かつ継続的な支援体制を構築するための検討を進めています。またヤングケアラーへの相談体制の充実を図るため、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーを増員しました。それと保育士の処遇改善や学校給食無償化に向け、市町村との協議も進めています。

 

 不妊治療への支援については不妊治療を実施する医療機関へのヒアリングや不妊治療を受けている方へのニーズ調査を行い、効果的な制度の在り方を検討しています。知事選の公約に掲げたことは着実に進んでいます。

 

 一方でまだ着手できていないこともあります。県庁の組織改革です。出先機関を含め、いろいろと効率化できることはあると思いますが、全体像をつかむ必要があるので少し時間がかかります。2024年度には着手したいです。

 

 具体的には、県庁としてやらなければならない仕事に特化していきたいと思っています。民間企業でサービスが提供できるのであれば民間委託し、市町村から権限移譲してほしいというものがあれば移譲を検討していきたいです。

 

 それと県庁の組織はよく縦割りと言われます。縦割りの弊害をなくすため部局の統合再編をしたいと考えています。ピラミッド型の組織は上にいくほど、さまざまな分野の情報が集まります。私が聞いていると、この話とこの話をつなげれば良いのになと思うことがあります。しかし、実際は隣の課とも情報共有できていないことがあり、そうした発想はなかなか、生まれてきません。もちろん課同士で連携協力しているケースもありますが、ある程度、まとまったユニットの方が助け合えるのではないかとの思いがあり、組織改革を考えています。一部は新年度から実施する方針です。

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