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陸上・日裏 和志(ひうら かずし)選手 - 輝く奈良のアスリート

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日裏(中央)と、下市陸上クラブの後輩、椿本凌久くん(左)と実央さん(同クラブ提供)

 2023年8月に新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで開催された「第58回全国高専体育大会陸上競技 第58回日本高専陸上競技対校選手権大会」の男子砲丸投げ(6キロ)種目で、奈良県下市町出身の日裏和志選手(19)が12メートル40を記録して全国2位となった。

 

 日裏は現在、近大高専の4年生。土木関係のエンジニアを目指し主に土木工学を学びつつ、陸上部に所属する。投てき競技を始めたのは2年生の時で、わずか2年で大きく実力を伸ばした。それまでは主に中・長距離走をしていたが、周囲の勧めで2年生の春に円盤投げ、夏から砲丸投げを始めたという。転向してすぐの頃はいろいろと苦労もあったというが、良いコーチに出会え、経験を積み重ねることで才能が開花。「それまでは大会で入賞したこともなかったが、いろいろなチャンスが巡って来て、夏の全国高専大会で初めて2位という結果に恵まれた」と手応えを口にする。投てき競技に転向してから円盤、砲丸ともにメインで続けているが、特に「砲丸投げがしっくりきている」という。

 

 元々は少年野球をしていて、小学生の頃は地元の野球チーム「大淀フェニックス」で投手として活躍。陸上競技を始めたのは、小学6年の時。足腰と精神力を鍛えるためにと、下市陸上クラブに入ったことがきっかけだった。

 

 同クラブで走りながら、中学では硬式野球の「五條ボーイズ」で投手。しかし、徐々に陸上競技に傾倒し始めたという。また中学時代にはコーラス部を兼務していたといい、多彩な面も持っている。

 

 高専で投てき競技に転向してからも、トレーニングの一環として走ることは続けている。近大高専の寮で暮らす今でも、お盆や正月には地元に帰り、下市陸上クラブの後輩たちと一緒に走っている。

 

 投てき競技の魅力について「長距離走なども同じだが、コツコツやっていかないとダメなところ。小さなことの積み重ねが大事で、その先に結果があるというところに魅力を感じる」と話す。今後の目標は「今回の全国高専では準優勝だったので、最終学年となる次も全国大会(北海道大会)に行き、今度は優勝できるよう頑張りたい」と意気込む。

 

 下市陸上クラブの後輩で、現在主に中距離走の選手として県内外で活躍している椿本凌久くん(大淀中1年)と妹の実央さん(大淀桜ケ丘小6年)は、兄妹で近畿大会で活躍することを目標に練習に励んでおり、「将来は兄妹で都道府県駅伝に県代表として出場したい」という目標を掲げる。先輩として慕う日裏の活躍を心から喜ぶ。二人は「後輩思いで、いつも気にかけてくれている優しい先輩。これからも頑張ってほしい」とエールを送る。下市陸上クラブの北延博代表は「OBには他にも箱根駅伝や甲子園で活躍している人たちもおり、こうやって報告に帰ってきてくれることがうれしく、地域の励みにもなる」と喜ぶ。

 

 温かなエールに日裏は「自分の力だけで達成できたものではなく、後輩や仲間、皆さんの応援に支えられて今の自分がある。頑張ろうという力をくれる。みんなに感謝している」と力強く応え、さらなる飛躍を誓う。(岩本淳)

 

 

 ひうら・かずし

 下市町阿知賀出身。第58回全国高専体育大会陸上競技・第58回日本高専陸上競技対校選手権大会で男子砲丸投げ(6キロ)準優勝(記録12メートル40)

 

 

 

2024年1月10日付・奈良新聞に掲載

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