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高み目指し一丸 - 天理高校軟式野球部

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軟式野球はなかなか点が取れないと言われている。守りから攻撃のリズムをつかみ、得点につなげようと、練習の大半を守備の強化に充てている

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 高校軟式野球―。同じ野球でも硬式野球とは全く違うスポーツと言われている。軟式はその名の通り、軟らかいゴム製のボールを使う。硬式の球と比べ、よく跳ね、打球はあまり飛ばない。実際、試合を観戦すると、攻撃や守備の仕方が異なり、硬式球に慣れた人は、「ボールが変わるだけでここまで違うのか」と驚く。ちなみにルールは同じだ。

 

 奈良県内では天理や奈良学園など7校が県高校野球連盟に加盟。ただ硬式野球と比較すると圧倒的に少ない。全国大会の出場経験も豊富な強豪校・天理の木田準也監督(41)=同校教諭=は「必然的にロースコアの試合が多くなり、足を絡めるなど、どうやって点を取るか各チームが考え、工夫を凝らす」と話す。長打も期待薄すで戦術と駆け引きが重要だ。

 

 8月に開かれた第68回全国軟式野球選手権(明石トーカロ球場、姫路・ウインク球場)で準優勝。10月、鹿児島県出水市で行われた特別国民体育大会「燃える感動かごしま国体」で優勝を果たした。準決勝で選手権決勝で敗れた中京(岐阜)を下し、決勝では河南(大阪)相手に、木村心粋投手(3年)が完全試合を達成し有終の美を飾った。

 

 この大会を最後に3年は引退した。新チームはさらなる高みを目指し動き出した。ただ、全国的な傾向として部員数の減少や廃部が相次いでいる。少子化や指導者不足などの側面が大きいが、裾野の拡大が急がれる。始めるのが遅くても野球経験者を追い抜く可能性だってある。硬式に比べ、安全性が高く幅広い年代が楽しめる「生涯スポーツ」として続けられるのも魅力だ。(写真・文 牡丹賢治)

 

字のごとく軟らかくゴム製。飛距離は出ないが、よく弾む

 

日本一を目指し、心一つに走る

 

冬場、日が暮れるのは早い。影が伸びる。1分1秒を大切に

 

グラインド全体を照らす照明設備はなく、限られたスペースでティーバッティングやトスバッティングなど打撃練習に取り組む

 

黙々とウエイトトレーニングに励む

 

今年の選手権や国体でも躍動した左腕・藤本投手

 

マネージャーは2年3人、1年3人。選手らを支える

 

鍛えた守備力で勝負
就任1年目で全国制覇も
手腕光る木田監督

 木田監督は天理高、天理大硬式野球部のOB。甲子園に憧れ高校に入学。残念ながら夢は果たせなかったが、大学(阪神リーグ)ではベストナイン3回、首位打者1回。主将も努めた。卒業後は天理大と天理高で約10年間、コーチとして学生・生徒を指導。2015年8月から天理高軟式野球部監督。

 

 就任当時「練習中、選手から声は出ず、覇気がない。選手権の会場さえ知らない者もいた。甲子園出場という明確な目標を持ち、厳しい練習に明け暮れた硬式野球部とはかけ離れていた」と話す。打破しようと率先し練習に取り組んだ。やがて選手からも声が出るようになり、めきめき力を付け、1年目の16年、全国制覇を成し遂げて注目された。

 

 さらに「結構うまい選手もいた。しかし、いざ試合になると力が発揮できない。試合に勝ち、自信をつけさせることに重きを置いた」と振り返る木田監督。軟式は硬式ほどボールが飛ばず、四球や相手の失策絡みで得点することが多い。そこで投手力と守備力を徹底的に鍛えた。今年の選手権や国体の試合を見ても、その方針は今も変わらないと見て取れる。

 

 新チームは2年9人、1年10人。左腕・藤本大地投手(2年)は選手権や国体でも活躍。主将の石井開選手(同)も大舞台を経験した。夏の選手権に向け、練習に励む。

 

 コーチとして指導する22年卒のOB・森本征孝さん(天理大2年)の存在も大きい。コロナウイルス禍で思いっきり野球ができなかっただけに、後輩に託す思いが強い。頼れる存在だ。

 

 チームが一丸となり取り組む姿は活気にあふれ力強い。1日1000スイング、連携など守備の強化、送りバントなど当たり前のことが普通にできる野球を目指す。日本一を掲げ、お互いが支え合い、春を迎えることだろう。秋季大会を制した奈良学園なども力を付けている。県内7校が切磋琢磨し、競技の普及に貢献するに違いない。注目したい。

 

木田準也監督

 

 

 

※いずれも天理市杣之内町の専用グラウンドで写す。

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