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江戸のお茶文化継承 - 橿原で挽き茶体験交流会

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挽き茶や茶の子を味わう参加者(手前)=29日、橿原市中曽司町の同町本町会館

 煎茶を石臼で粉末にした「挽(ひ)き茶」の体験交流会が29日、奈良県橿原市中曽司(なかぞし)町の同町本町会館で開かれた。NPO法人奈良の食文化研究会主催。同会会員や地元住民ら約40人が、県内では同町だけに残っており、江戸時代初期から伝わるという挽き茶(抹茶)を入れ、茶の子(お茶うけ)とともに味わう喫茶文化を楽しんだ。

 

 飲み方は、ごはん茶わんよりも少し大きめのわんに自家製の挽き茶を入れ、少量のお湯を注いで茶せんで十分に泡立てる。その後、少しの塩とお湯を足してキリコ(あられ)をお茶が隠れるまで浮かばせて、飲んだり食べたりする。

 

 この日の交流会は同本町自治会が協力。参加者は地元の主婦6人の指導で挽き茶を入れ、インゲンのごま和えやサトイモなどの茶の子とともに味わった。

 

 同会の木村隆志理事長は「廃れつつある県内のお茶文化を残す一助になればとの思いでイベントを企画した。今後とも文化を継続してほしい」とあいさつ。参加した亀田忠彦市長もあいさつし、「橿原市が誇れるお茶の文化を広く伝えていきたい」と話した。

 

 体験会ではまた、的場輝佳・奈良女子大学名誉教授による「大和のお茶」と題した講演や、同町の挽き茶の語り部である松嶋好子さん(97)の挽き茶に伝わる話の説明もあった。

 

 この後の交流会では生駒亭茶千こと、生駒市の茶せん職人、久保建史さんによる茶せんにちなんだ創作落語の披露などもあった。

 

 同会会員で地域商品プロデュ―スに携わる、大阪府吹田市の原野知有紀さん(45)は「挽き茶は初めて。お茶というよりもおやつという感じ」。大阪市から同町に移住して約40年という主婦の栗本悦子さん(74)は「初めての体験だったが、挽き茶は香ばしくておいしかった」とそれぞれ感想を述べた。

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