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音羽山観音寺後藤住職の花だより - ギンナンの皮むき編 2023年10月上旬

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住職は手術用のエプロンを着用。さてそのわけは?

 取材の日、観音寺に着くとギンナンの実が入った箱がずらり。早朝からお手伝いの人が皮をむく作業をしていました。「今日は取材の日ですよね?」と問うと、「今日は奉仕の日でしょう」とにこにこ顔の住職。「ああ。奉仕の日でしたか」と住職の言葉にのってしまいました。

 

 

ギンナンの旬は10月 今年は豊作の予感

 

 皮むきの手伝いのため、手術用のエプロン、手にはゴム引き軍手と衛生用の使い捨て手袋を着用します。そして足元は長靴。

 

 「一張羅の長靴よ。一張羅というのは、上等なという意味じゃなくて、新しいという意味よ」

 

 長靴を見ていた記者にそう伝えます。お寺ではめったに新しい物を使いません。修理できるものは修理して使っています。住職にとって新品は一張羅なのです。

 

 さてイチョウの葉はまだ緑色。ギンナンだけ色づいて落ちていました。ギンナンが砂まみれにならないように、ブルーシート、池にはネットが張り巡らされていました。

 

朝のようす。ギンナンがたくさん落ちている

 

 「ギンナンは3日前くらいから落ち始めて金ばさみで集めているのよ。去年、年末に皮むきしたのは忙しかったから。本当はこの時期に皮むきするの」

 

 皮をむくときに汁が飛び出すことがあり、皮ふにつくと肌が荒れたりします。さらに臭いは強烈です。スズメバチがギンナンの実に止まっています。

 

 「キイロスズメバチってギンナンの皮を食べに来るのよ。こういう時は人を刺さないのだけど、こわいよね」

 

 皮むき作業をする近くに殺虫剤と電動ハエタタキ。住職の気迫に気づいたのか、住職がギンナンの箱に近寄るとスズメバチは飛んで逃げていきます。

 

 住職が皮をむくと手が早くて、あっという間に種がバケツいっぱいになりました。種だけになったら洗濯機で洗って乾かします。

 

「洗濯機で洗って来たわ」と住職

 

 食べるためには種を割って電子レンジで調理するのですが、今日の作業は洗濯機まで。未熟な物は浮いてくるので破棄します。今年のできは上々。浮いて来るのが少なかったようです。

 

まだ枝にギンナンが残っている

 

「こんなに収穫できたの」にこにこ顔の住職

 

 ギンナンは、おやつになったり、ご飯に入れたりします。11月17日の大般若会(お葉付いちょうを見る会)に登場するかもしれません。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。

17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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