4年ぶり名物のだんじり復活 - 杵築神社秋祭り
新型コロナウイルス禍で中断していた杵築(きづき)神社の秋祭り(同実行委員会主催)が7、8日、4年ぶりに奈良市二名平野2丁目の同神社で行われた。名物のだんじりも登場し、周辺地域をにぎやかに巡行した。
だんじりは全長約5.6メートル、幅約2.3メートル、高さ約4.8メートルの大きさで、重さは約2トン。戦後まもなく旧二名村が購入し、祭りで人気を集めていたが、ひき手不足で長らく保管されたままになっていた。10年ほど前に同実行委員会が巡行を復活させ、5年前には伝統行事を継続させるために地車保存会(川北修二会長、約20人)も結成された。
だんじりは保存会のメンバーや地元の子どもらが綱を引き、鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らしながら、同神社と近鉄富雄駅の間の往復約3.5キロをゆっくりと巡行。商店や個人宅からご祝儀をもらうたびに、繁栄を願って手拍子を打った。
にぎやかなはやしとともに迫力満点のだんじりが通ると、沿道の市民らは携帯電話のレンズを向けたり、拍手をしたりして祭りの雰囲気を味わっていた。
川北会長(55)は「思っていた以上に興味を持ってくれてうれしかった。だんじりの認知度をさらに広げていきたい」と満足げ。同実行委員会の大木博委員長(71)は「地域を盛り上げるために、コースもこれまでより長く設定した。だんじりで地元の多くの場所に幸せをふりまければ」と話した。
子どもみこしの巡行や境内での奉納演芸大会なども行われた。