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「高齢者に優しい窓口に」 奈良・田原本町が軟骨伝導聴覚補助イヤホン導入

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「窓口用軟骨伝導聴覚補助イヤホン」を試す町民(左)と集音器に向かい話す職員=21日、田原本町役場

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 奈良県田原本町は21日、6月28日から同町窓口に導入している、軟骨の振動で音を伝える「窓口用軟骨伝導聴覚補助イヤホン」のデモンストレーションと、軟骨伝導の仕組みを発見した県立医科大学の細井裕司学長による説明会を開いた。同町では長寿介護課窓口と介護認定調査の訪問時などに活用。細井学長は、「自分の聞こえにくさに気づき、対処するためにも、窓口で試してほしい」と呼びかけている。

 

 「軟骨伝導聴覚補助イヤホン」は、軟骨に振動を伝え耳の内側に音源を発生、音を増幅する。穴や凹凸がなく衛生に保てる▷音が周囲に漏れず個人情報を守れる▷耳穴をふさがず圧迫感がない▷補聴器に比べ安価(個人用は集音器と両耳イヤホンで約3万円)―などの利点がある。

 

 デモンストレーションに先立ち、森章浩町長は「高齢者に優しい窓口になれば」とあいさつ。体験した同町の末広真理子さん(76)は、「自然な感じで優しく聞こえました。耳に置くだけでいいのは楽」。東口芳子さん(78)は「(補聴器は高いため)安くできるのはいい」と笑顔を見せた。

 

 細井学長は2004年、軟骨の伝導経路を世界で初めて発見。質や価格の改良を重ねて22年10月に発売後、「窓口には見えない人のための老眼鏡があるのに、聞こえにくい人への配慮がない」と窓口用の着想を得た。1人で使う市販品よりもコードを長くし、スタンドを設けた。

 

 日本補聴器工業会の調査によると、日本の難聴者は1400万人、そのうち1200万人が補聴器を非着用。細井学長は「自分では聞こえているつもりでも、窓口などで聞きもらしが生じて社会生活に支障が生じている」と指摘。難聴と認知症リスクの関連も示し、「解決することは高齢者が生き生きと活躍できる社会の実現につながる」と強調した。

 

 同町によると、県内の自治体では初めて導入。全国では東京の狛江市に次ぎ2例目という。宇陀市(6月30日〜)や橿原市(6月30日まで試用、7月1日に購入)でも設置している。

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